関西レインボーフェスタ(2016年)で行ったアンケート結果の一部をご紹介します。
実施日時 2016年10月8日(土)
場所 扇町公園(大阪府大阪市)
実施方法 レインボーフェスタでの回答、Web回答
回答数 190件(現地:168件、Web:22件)
セクシュアリティを自覚した時期は、就学前で11%、小学生で30%、中学生で22%でした。
約6割が中学生までに自分のセクシュアリティを自覚していました。
話さなかった理由で多いものから順に「理解されるか不安だった」「自分の中でも認められなかった」「嫌われる、いじめを受けそうだった」と続きました。
LGBTや多様な性について、周りだけでなく自分自身も正しく理解していないことで、自分だけがおかしいと思ったり、誰かに話すと否定的な態度をとられることを危惧して、話すことができていないことが分かりました。
自分のセクシュアリティを自覚したのはいつですか。(非当事者、その他を除く)
中学生までにセクシュアリティを自覚した人の中で、セクシュアリティに関する
ことを誰かに話しましたか。(非当事者を除く)
中学生までにセクシュアリティを自覚した人の中で、セクシュアリティに関することを誰かに話したと回答したのは11%で、61%は話していませんでした。
セクシュアリティが原因で中学生までと、中学校卒業後から今までにそれぞれ経験したものはありますか。
その他の内容
・会話をしていると何を話していいのかわからなくなる
・漠然とした不安
・カウンセラーや保健室の先生などに理解があるのか無いのか分からないし、なかった場合に傷つくのは自分なので信頼できず怖くて相談できなかった
LGBTへの取り組み
LGBT Right and Equality
1-2で「話さなかった」と回答した人は、理由は何ですか。
1-2.中学生までにセクシュアリティを自覚した人の中で、セクシュアリティに関することを誰かに話しましたか。
2.セクシュアリティが原因で中学生までと、中学校卒業後から今までにそれぞれ経験したものはありますか。
3.LGBTや多様な性について、いつから知っておきたかった・学びたかったですか。
5-2.5以外で、LGBTであることが理由で、嫌なこと、悲しくなったこと、困ったこと、理不尽な思いをしたこと、
セクシュアルマジョリティ(異性愛者)と同じことができなかったことはありますか。
回答者のセクシュアリティ分類
LGBTや多様な性について、いつから知っておきたかった・学びたかったですか。
学校に取り組んでもらいたいことは何ですか。
セクシュアリティが原因での困難や嫌なことはありますか。
5以外で、LGBTであることが理由で、嫌なこと、悲しくなったこと、困ったこと、理不尽な思いをしたこと、セクシュアルマジョリティ(異性愛者)と同じことができなかったことはありますか。(自由記述の一部を紹介)
上記の問題を解決するためには、具体的に行政や教育のどういったサポートが必要ですか。(自由記述の一部を紹介)
行政に取り組んでもらいたいことはありますか。
小学生の頃から知っておきたかったという回答が約半数を占めました。就学前と小学生を合わせると7割にものぼります。
69%の人が「LGBTについて授業で学ぶ」を選択しました。
しかし、宝塚大学の日高教授による教員5,979人のLGBT意識調査レポートではLGBTについて授業で取り上げたことがあるかという問いに対しては、77.5%の教員が取り入れてはおらず、そのうちの42.3%は教える必要性を感じる機会がなかったと答えています。
LGBT、多様な性について学校で学びたいというニーズと、教員が教える必要性を感じていないという現状に大きなズレを感じます。
アウティングされた上に、それが原因で友人が離れていった(レズビアン・大阪府)
小・中・高校生は、セクに気づいてもどうすることもできず孤独におちいりやすいです。自分もそうでした。(ゲイ・奈良県)
ライフプランなど将来の話(FtX・大阪府)
周りの恋話にのれない。自分が恋愛にかんしてうれしかったことや、困っていることを相談できない、とても勇気がいる(バイセクシュアル女性・兵庫県)
就職活動時に性別と自認性との不一致を理由に、入職をしぶられたこと。(FtM・大阪府)
田舎では同じLGBTの人と出会うことがなく、友達やパートナーができない。(レズビアン・福井県)
学生時代に女子と同じ制服で学校に通うこともできず、振袖で成人式に出席することもできず、経済的にSRS等も不可能な状況なので、結婚もできなければ、ウエディングドレスを着ることもできない。好きな人と子どもをつくることもできず、着ぐるみを着せられたようなカラダで老いていくしかない現実に、生きてる必要性を感じない。
選挙のたびに届く入場券にも、性別が印刷されていて、投票に行く行為は、MtFだと公にする行為で、どんな目に遭うか想像すると、行きたくても行けない。(MtF・福井県)
大切な人が自殺したこと。またセクシュアリティが原因でお葬式などに呼んでもらえない、大切な人が死んだことも知らずに過ごさないといけないひとがいること。(その他・大阪府)
社会保障等の不平等 同性同士での法的保証がない 異性愛前提の社会(FtM・福井県)
LGBTについての啓発。まだ、LGBTを知らない人は多いです。(ゲイ・大阪府)
企業へのLGBT含むセクシュアルマイノリティの周知、理解を促す行政サポート(MtX・福井県)
LGBTに関する教育の場を増やす→人権(ゲイ・大阪府)
教育現場で話し合ってほしい(バイセクシュアル女性・三重県)
知ってもらうことが第一歩(ゲイ・大阪府)
もっとLGBTについて知ってもらう事がまずは大切だと思う(MtF・京都府)
LGBTは身近な存在だということを学校教育でどんどん取り入れてほしいですし、教職員はもちろん会社での講習などが必要かなと思っております。(FtM・大阪府)
学校教育でジェンダーセクシュアリティについて教えること!!(バイセクシュアル女性・兵庫県)
意識を改革するために、LGBTに関する正しい知識が必要だと思う(非当事者男性・大阪府)
LGBTSの人、カップルでも養子が取れるように(バイセクシュアル女性・大阪府)
LGBTの存在を前提とした制度(同性パートナーシップなど)(FtX・大阪府)
・全国でパートナーシップ法を作る
・多様な家族・パートナーに対して、家族として法的に認める(FtX・兵庫県)
同性婚の法制化(非当事者男性・大阪府)
・LGBTQ、Xジェンダー、その人生などに関する正しい知識の広報、教育。子どもへの教育だけでなく、成人済みの人たちに対しても広めることが必要。
・無意味に男女に分けることをせず、外形的な男女ではない個人の性格や好みを重視する教育(「男子は力仕事、女子は飾り付け」ではなく「この仕事をやりたい人はいますか」、「男子は女の子を守るべき」ではなく「みんながお互いにできることをし合いましょう」など)。
・公的なポスターやパンフレットだけでも、イラストの男女イメージが偏っていたり、統計的事実以外の面で男女をむやみに分断する表現を使ったりするような「無意識の差別」が起こらないように十分配慮すること。(FtX・東京都)
誰でもトイレを公共の場、大きなデパートに設置して欲しい(FtM・福井県)
行政に取り組んでもらいたいことの設問では、昨年に引き続き、行政職員・教員へのLGBT研修の回答が最も多くを占めました。まずは行政職員が正しく理解することで、制度の整備や啓発活動の実施につながっていくと思います。