top of page

現在の仕事に就くまでのことを教えて下さい。

生まれは両親がしばらく暮らした北海道ですが、その後まもなく両親の地元・福井県越前市に戻り、育ちました。

小さい頃の遊び道具は“ペンと紙”というぐらい絵を描くことが好きで、その頃から「絵描きさんになりたいなぁ」と思っていました。しかし中学生になると、あることをきっかけに急に描きたい絵が描けなくなるというスランプに陥り、絵を描くことを将来の職業として捉えることが少しずつできなくなっていきました。高校に進学すると弓道部に入り、夢中で取り組みました。

高3の夏、スランプに陥っていた絵が、急に描けるようになったのです。そこから「や っぱり私はこの道(絵・デザイン)に進みたい」と強く思って、高校卒業後、金沢にあるデザインを英語で学べる学校に進学しました。そこで、提携校であるアメリカのパーソンズ(世界的なデザイン大学)への編入を目指して、様々な課題をこなすハードな毎日を送りました。

2年後に無事編入試験を通過してニューヨークに渡り、卒業後ニューヨークのテキスタイルデザイン会社に入社しました。会社のクライアントで あるGAPやヴィクトリアズシークレットなどの大手アパレルブランドのテキスタイルデザインなどに携わり、約5年間勤めました。

その後、2006年に地元である越前市に戻ってきました。戻ってからの約2年間は、引き続きアメリカとの仕事を中心にしていたため、スカイプをフル活用して現地時間に合わせたワークスタイルでした。その間は、午前中に寝て夕方起きるという生活でした。

現在はどのような仕事をしているのですか。

現在は地元のクライアントを中心に、フリーランスのデザイナーとして活動しています。登録している福井県の産業支援センターデザイン振興部や、商工会議所からクライアントや案件の紹介をしてもらうなど、サポートを受けられるので助かっています。

学生時代の思い出などを教えてください。

高校時代は弓道部の他、国際科でのたくさんの国際交流の思い出があります。専門学校時代は地域の活動に参加して、若者が戻ってくる街にするにはどうすればいいか考え、自分たちで祭りやイベントを企画したりしました。そのときの活動のおかげで、地元を離れてもいつか地元に戻ってく るという気持ちが生まれていった気がします。

これまでの移住経験について聞かせてください。

大学時代と卒業してから福井に戻るまでの約8年間、ニューヨークに住んでいました。住まいはいろんな人とルームシェアして、学生時代も社会 人になってからも忙しい毎日でした。街並みや活気など雰囲気は大好きで、また行きたいと思える場所です。主人と出会ったのもニューヨークで、学生時代の同僚でした。主人は奈良県出身ですが、私自身が福井に戻ることを強く願っており、その思いを 理解してくれ、一緒に福井に来てくれました。

なぜ地元である越前市に戻ってこようと思ったのですか。

大学に進学する前から必ず地元に戻ってくると決めていました。それは、学生時代の活動で思うようになったことと、「世界で通用するような仕 事を大好きな地元でできたら1番カッコいい」と信じていたからです。そして、育った地元が大好きですし、自分のアイデンティティの1つです。 それは県外、海外での生活を経験した後でもブレることはありませんでしたね。ニューヨークには多種多様な人種の方がいますが、だからこそ日本人として、福井人としてのアイデンティティを強く意識することにもなりました。

越前市に戻ってきて、以前と印象は変わりましたか。

元々大好きだったこともありますが、今でもその魅力は変わっていませんし、むしろ一度外に出たからこそ、自然・住環境・そこに住む人の人柄 など、改めて「いいなぁ」と気づくようになった気がします。もちろん今まで住んだニューヨークも大好きですし、まだまだ行ってみたい街もありますが、やはり私のホームはここ(越前市)だと感じています。

今の仕事をする上で、越前市が強みになっている点はありますか。

仕事をする上での強みは、子育て環境ですね。まず両親が近くに住んでいるので、子どもの面倒を見てもらうことができるので本当に助かり、そのおかげで活き活きと仕事が続けられています。また、保育園などの充実や、周囲の地域の方の理解やサポートなど、地域ぐるみで子育てしてもら っている環境は、他県に住む友人などの話を聞いても恵まれているなと感じます。

越前市でお勧めスポットやグルメがあれば教えて下さい。

越前市は本当においしいものがたくさんありますよね。中でもおすすめは、私がロゴ製作などにも関わらせてもらったお蕎麦屋さんの「くらそば 幸道」さんや、武生駅前のメキシコ料理店「アミーゴタコス」さん、タイ料理店「ナームチャイ」さんです。

今後取り組んでいきたいことや、夢を教えて下さい。

これからの仕事との向き合い方について、迷っていることもあるのですが(笑)、地元を好きであることは変わらないですし、この場所で自分が 誇りを持てる仕事をして、「越前・福井で仕事をしているからこそ良いんだよ」と言い続けられたらと思っています。公私ともにモチベーションを高く持って、楽しく充実した生活をこの場所で続けていきたいですね。

インタビュアー:橋本康央

アンカー 1
ニューヨークからUターンした三木あいさん。
一児の母として、デザイナーとして、故郷である越前市を拠点に活躍されています。
故郷を愛し、仕事や生活にポジティブに向き合う彼女の越前市での自然体ライフスタイルが見えてきます。
​Hello,Echizen!(2016年4月発行)「IJUセンパイ インタビュー」収録記事
bottom of page